こんにちは。横山幸一です。
融資には格付けだけでなく、もう一つ必要な情報があります。
銀行は、金融庁の指導方針に従って、業務を行っています。
金融庁は銀行に対する監督官庁なので、銀行はその指導方針に逆らうことができません。
金融庁は2年に一度程度、各銀行に「金融庁検査」を行い、いろいろな指導を行っています。
少し前までは、
「金融検査マニュアルに準じた業務運営を行っているか?」
ということを中心に検査を行っていました。
詳しく言うと、
「金融検査マニュアルに準じた、債務者の『格付け』を行い、『格付け』の高い先に融資をしているか」
ということを見ていました。
なので、以前は『銀行格付け』が、融資をしてもらうためには、とても重要視されていたのです。
次に書くことを知っている社長は、まだ少ないのです。
金融庁が金融庁検査で格付けを行っていたのは、2014年6月までです。
それ以降は、金融庁は債務者の格付けをチェックしていないのです。
2014年7月からの金融庁は、
「安全性の高い会社(格付けの高い先)に優先的に融資をする」
という指導方針から、
「決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価してリスクマネーを積極的に融資するように」という「事業性評価融資を積極的に行うように」という指導方針に、大きく舵を切り替えました。
そういう事実があるのにもかかわらず、依然として、
「融資をスムーズにしてもらうには、銀行格付けが最重要」
と言っている「銀行格付けセミナー」があるのも事実です。
一方で、銀行は今までのやり方を変えることを嫌う傾向があります。
そのため、格付けを重視しているところも、まだまだ残っています。
金融庁検査で格付けチェックをしないからといって、格付けが重要でなくなったということではありません。
しかし、金融庁の指導方針は、「事業性評価融資」を重視するようにしていますし、将来的には、格付けよりも事業性評価の方が、重要になってきます。
融資を審査する上において、財務内容はとても重要です。
財務内容を良くする努力というのは、円滑に融資を引き出すためには必要不可欠です。
でも、これからは、それだけではいけなくなってくるのです。
格付けは重要です。それだけでなく、これから銀行は事業性を評価するようにもなってきます。
金融検査マニュアルが廃止されたあと、金融庁が銀行を指導する際に重要視しているのが、
「金融仲介機能のベンチマーク」
です。
今まで、金融機関が「金融検査マニュアル」を重要視していたように、今後は、「金融仲介機能のベンチマーク」を重要視するようになります。
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