こんにちは。横山幸一です。
お金を借りるには、大きくわけると2パターンあります。
1、日本政策金融公庫のような政府系の金融機関で借りる
2、信用金庫や地方銀行のような民間の金融機関で借りる
1番でお金を借りる場合には、信用保証協会が登場しません。
2番からお金を借りる場合に、原則として信用保証協会が登場してきます。
まずは、信用保証協会とはどんな団体なのかを説明していきます。
信用保証協会は、個人事業主や中小企業の方々が銀行から事業資金を調達するときに、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートしてくれる公的機関です。
個人事業主や中小企業の方が融資を受ける場合には、銀行側はリスクが高いためお金を貸したくないと考えてしまいます。
でも、銀行がお金を貸し渋ってしまうと個人事業主や中小企業は成長しにくくなってしまいます。
そこで、銀行がお金を貸しやすくするために、信用保証協会という公的機関が存在しています。
日本政策金融公庫以外の銀行からお金を借りる場合には、基本的に信用保証協会を通さなければならないのですが、お金を借りる際に、 銀行には毎月利息を支払います。
信用保証協会には、お金を借りる際に一括で信用保証料を支払います。
保証料を支払うことで、万が一、個人事業主や中小企業が借入金の返済ができなくなった場合は、信用保証協会が個人事業主や中小企業に代わり銀行に借入の返済をしてくれます。
信用保証協会に保証してもらうためには、手数料を払う必要があります。
この手数料を信用保証料と呼びます。信用保証料は、借りた際に一括で払わなければなりません。
例えば1000万円を借りた場合には、約50万円程度の信用保証料を一括で払う必要があります。
プロパー融資の場合には、信用保証料を払う必要がないため、トータルの費用が安くなることが多いです。
日本政策金融公庫と信用金庫の費用総額で比較すると、基本的に日本政策金融公庫の方が安くなります。
信用保証協会は取り立て業務も行います。
例えば、個人事業主の方が、金融機関から500万円を借りて返済できなくなったとします。
この時に、信用保証協会が500万円を銀行に返済する。
その後、信用保証協会は、この500万円を個人事業主の方から取り立てを行います。
お金を借りた方が返済できなくなってしまった場合、信用保証協会がリスクを負うため、信用保証協会が認めた方でないと融資を受けられません。
融資を受ける際は、信用保証協会との面談が必要となります。
平成19年9月30日まで、信用保証協会の保証が付いた融資の場合、お金を借りた方がお金を返せない場合には、100%信用保証協会が保証してきました。
少し前までは、銀行は信用保証協会の保証の付いた融資の場合、無リスクで融資を行うことができました。
さすがに無リスクはおかしいということで、平成19年10月1日より『責任共済制度』が導入され、 信用保証協会が80%のリスクを負う 金融機関が20%のリスクを負う という状況になりました。
日本政策金融公庫で融資を行う場合には、信用保証協会が出てきません。
日本政策金融公庫は、そもそも政府系金融機関なので、本体が公的機関であることから、信用保証協会を利用することはありません。
日本政策金融公庫から融資を受ける場合には、日本政策金融公庫の担当者と面談するだけで、あとは結果を待つだけです。
日本政策金融公庫以外の銀行から融資を受ける場合には、銀行と信用保証協会の両者と面談が必要になるため融資を受けるまでに時間がかかります。
融資までの時間に約1ヶ月程度の差が出ます。
銀行融資には、主要なものとして「信用保証協会の信用保証付き融資」と「プロパー融資」の2種類の方法に分けられます。
「信用保証協会の信用保証付き融資」とは、保証を公的保証人である信用保証協会が行う融資です。
この場合、公的保証人を得られることとなるため、銀行はお金を貸しやすくなります。
「プロパー融資」とは、銀行の内部によってお金を貸せるかどうかの可否を決定する仕組みです。
日本政策金融公庫からの借入は、プロパー融資に該当します。
また、ビジネスローンなどもプロパー融資の一種にあたります。
ビジネスローンの場合は比較的借入が容易であり、「無担保・連帯保証人なし」の場合、新規の取引であっても、最大で500万円程度の銀行融資を利用することが出来ます。
信用金庫や、地方銀行、都市銀行は、創業して数年での融資であれば、基本的には、信用保証協会の信用保証付き融資となります。
信用金庫や、地方銀行、都市銀行からの融資でも、企業に実績がついた場合には、プロパー融資を利用することも可能になりますが、開業して、数年以内にプロパー融資を利用できる会社はほとんどないといえるでしょう。
たとえば、大阪の信用保証協会の場合は以下のようになっています。
1、一企業に対する保証の最高限度
・個人・法人・・・2億8千万円
・組合等・・・4億8千万円
2、保証期間
原則として、運転資金は10年以内、設備資金は15年以内
ただし、不動産取得資金として20年保証の資金もあります。
3、資金使途
運転資金、設備資金
4、連帯保証人
法人代表者以外の連帯保証人は、原則として不要です。
5、担保
必要に応じて求められます。
6、貸付金利
金融機関が決定することになります。
金融機関に融資の申し込みを行ってから約1ヶ月半で、融資を受けることができます。
融資の申し込みの日を基準としますと、融資の申し込み日⇒面接(約2週間後)⇒審査結果(約1ヶ月後)、というスケジュールが一般的です。
また、市区町村の斡旋を受ける場合には、最初に市区町村の斡旋を受ける必要があるため、このスケジュールより、2週間~3週間程度多く時間がかかります。
信用保証協会を利用した場合の流れです。
1、融資及び保証の申込み
金融機関へ融資および保証の申込みをします。
2、保証依頼
金融機関は、融資が適当であると判断した場合、信用保証委託申込書等の必要書類を信用保証協会へ提出します。
3、審査
信用保証協会は、保証に係る審査を行います。信用保証協会の担当者が、お客様を訪問するなどして、直接話を聞く場合もあります。
4、保証承諾
審査の結果、信用保証協会が保証承諾を行う場合、金融機関に信用保証書を送付します。
5、融資
金融機関は、信用保証書に基づいて融資を行います。この際、お客様は金融機関を通して信用保証料を支払います。
6、返済
条件に従って借入金を返済します。
ここで、もしも、途中で返済できなくなったら・・・?
7、代位弁済
万が一、借入金の返済ができなくなった場合には、信用保証協会がお客様に代わって金融機関への返済を行います。
8、返済
代位弁済後は、信用保証協会に借入金を返済していきます。
信用保証料っていくらぐらい払うのか?が、気になりますね。
信用保証料とは、信用保証協会が融資の保証に立ってくれることへの対価として支払う金額のことです。
信用保証料は融資金額と保証料率によって計算することになります。
融資金額は実際に銀行から受ける融資金額ですが、保証料率に関しては、中小企業者の個々の経営状況に応じて決められることになります。
例えば、大阪府の信用保証協会では、保証料率は、年0.5%から2.2%の範囲で9段階に区分されており、直近2期分の決算書及び申告書の財務諸表をもとに決定されます。
また、次の場合には保証承諾時にそれぞれ0.1%を割引した料率が適用されることになっています。
1、財務諸表について「中小企業の会計に関する指針」の適用を確認できる中小企業者(一部制度を除く)
2、担保の提供がある場合
です。